
暗記アプリで穴埋め学習をするメリットとデメリット
2025/09/15 ・ 約8分
このページでは、「暗記アプリで穴埋め学習をしたい人」向けに、メリットとデメリットを整理します。
- 紙の赤シート勉強と比べてどう違うのか
- 単語帳型の暗記アプリと相性の違いは何か
- MaskNote + MaskNote Plaza のような構成には、どんな利点・注意点があるのか
1. 「穴埋め学習」とは何か
ここでいう「穴埋め学習」は、次のようなスタイルを指します。
文章の一部だけを空欄にしておき、本文の流れや前後の文脈から 自力で埋める ことで記憶を定着させる学習法
例:社労士の目的条文(イメージ)
労働条件は、______を営むための必要を満たすべきものでなければならない。
単語カードのように「表:用語/裏:意味」という形ではなく、“条文全体の流れ”の中でキーワードを呼び出す のが特徴です。
MaskNote では、条文・長文・会話文などをそのまま登録し、「ここだけ隠したい」という箇所をドラッグして穴埋め問題にする設計になっています。
2. 穴埋め学習 × 暗記アプリのメリット
2-1. 「読む」よりも「思い出す」に強制される
穴埋め学習最大のメリットは、「想起(リコール)」が前提になる 点です。
- テキストを眺めるだけ → 「なんとなく分かる」「目で追っているだけ」になりがち
- 穴埋め形式 → 空欄を見た瞬間に「何だったか?」と脳が検索モードに入る
認知心理学の研究でも、「思い出す練習(テスト)」が記憶の定着に有効であることが繰り返し示されています。暗記アプリを使うと、この「テストとしての想起」を日常的に繰り返しやすくなります。
2-2. 条文や長文を“かたまり”のまま覚えられる
単語帳アプリは「1枚のカード=1語・1フレーズ」が基本ですが、穴埋めなら
- 条文:1つの条文の中に複数の空欄を設定
- 英検長文:1パラグラフの中で重要表現を複数穴埋め
- 会話文:決まり文句や返答パターンだけを空欄にする
といった “文脈を含んだ記憶” を作りやすくなります。
「この条文のこの位置には、このフレーズが入る」
「この会話パターンの定番は、この返し方」
という形で覚えられるため、本試験の長文読解や条文問題と距離が近い というのが大きな利点です。
MaskNote のような暗記アプリでは、条文・長文をそのまま登録しておき、「どの位置を空欄にするか」を即座に決められるので、文脈を壊さずに復習できます。
2-3. アプリなら復習タイミングの管理と相性が良い
紙の穴埋め教材(プリントやノート)だと、どうしても次のような課題が生まれます。
- どの問題をいつ解いたかを自分で記録する必要がある
- 苦手な問題だけをピックアップして集中的に解き直すのが面倒
- ページをめくる速度に制限がある(スキマ時間と相性が悪い)
MaskNote のような暗記アプリでは、
- 「今日の復習」「要復習」「苦手」などのタブで 自動的に出題グループを管理
- 間違えた問題だけを次の復習タームに重点的に回す
- 1問 3〜5 秒のペースでテンポよく復習できる
など、復習タイミングの最適化 と 復習速度の向上 を同時に達成しやすくなります。特に社労士・英検のように「広く・薄く・何度も回す」必要がある試験では大きな差になります。
3. 暗記アプリで穴埋めをするデメリット・注意点
3-1. 問題作成の手間がかかる
「テキストを読むだけ」に比べると、穴埋め問題の作成にはどうしても初期コストがかかります。ただし、この初期コストは 「最初の 30 問を作る段階」 に集中します。
- 最初の 30 問:新規作成のため、慣れるまで 1 問 1 分程度かかることも
- 以後:既存のカードをコピーして空欄を増やす、テキストを貼って空欄化するなどでスピードアップ
MaskNote Plaza のようなライブラリを併用すれば、初期 30 問を「コピペ+微調整」で埋められるため、作成コストはさらに抑えられます。
3-2. UI情報量による集中の阻害
アプリの画面は、ボタンやメニュー、進捗表示など 「情報量が多い」 のがデメリットになることがあります。集中を妨げないために、次のような工夫がおすすめです。
- 1 セッションあたり 5〜10 分の短時間で区切る
- 誤答したカードだけを集めた「苦手」タブで集中して回す
- 通知をオフにして、単純な出題画面に集中する
3-3. 出題範囲の偏り
「自分の作ったカードだけ」に頼ると、出題範囲が偏るリスクがあります。これを避けるために、次のような対策が有効です。
- 公式テキストや過去問を定期的に見直し、漏れをチェックする
- MaskNote Plaza のような公式ライブラリのカードを取り込んでカバー範囲を広げる
- 試験直前は「頻出分野だけ」を絞ったショートリストを作る
4. どんな人に向いているか/向いていないか
向いているケース
- 条文・長文・会話文の暗記が重要な試験(社労士・司法試験・英検など)
- 「テキストを読むだけだと不安」で、想起ベースの練習量を増やしたい人
- 復習スケジュール管理を自動化し、スキマ時間にテンポ良く回したい人
向いていないケース
- まだテキストを1周しておらず、インプットが完全に終わっていない段階
- 「アプリの設定やカスタマイズで満足してしまう」傾向がある人
- 手書きやマーカー勉強だけで十分に回っている人
5. まとめ:メリットを活かしつつ、準備コストを設計する
暗記アプリで穴埋め学習を行うことには、次のような大きなメリットがあります。
- 想起ベースの学習で、「読む」よりも「思い出す」練習が増える
- 条文・長文・会話文を「かたまり」で覚えられる
- 出題管理・復習スケジュールの自動化と相性が良い
- 自作問題と、MaskNote Plaza のような公式ライブラリ問題を組み合わせやすい
一方で、
- 問題作成の手間
- UIの情報量による集中の阻害
- 出題範囲の偏り
といったデメリット・注意点も存在します。
ポイントは、「全部をアプリに任せる」のではなく、自分の学習全体の中で“穴埋め専用ツール”として位置づけることです。
- まずは 1 科目・1 単元だけでも構わないので、重要だと思ったフレーズを穴埋めにして回してみる
- 相性が良ければ、MaskNote Plaza の問題セットや自作問題を少しずつ増やしていく