穴埋め暗記(リトリーバル練習)のイメージ

穴埋め暗記は科学的に効く?メリット・注意点と「続く」やり方を解説

2025/12/16 ・ 約7分

「読んで覚える」「書いて覚える」を頑張っているのに、試験本番になると出てこない。
そんなときに効きやすいのが、文章の一部を空欄にして答える 穴埋め学習 です。

穴埋めは、ただの暗記テクではなく、記憶の定着に関わる“脳の使い方” と相性がいい形式でもあります。
この記事では、穴埋め暗記が効きやすい理由(メリット)と、逆に失敗しやすい注意点、続けやすい実践手順をまとめます。


穴埋め暗記が効きやすい3つの理由

1)「思い出す練習」になる(リトリーバル)

暗記が強い人ほどやっているのが、“覚える”より“思い出す” の練習です。
穴埋めは空欄を見た瞬間に、「あれ何だっけ?」と 脳が検索 を始めます。

この「検索して取り出す」行為が、記憶の回路を強くする方向に働きます。
つまり、穴埋めは 本番で必要な“出力”を、日常の学習で先に練習できる 形式です。


2)文脈ごと覚えられる(トリガーが増える)

単語帳で「単語→意味」だけを覚えると、試験の文章の中で出てきた時に、
“どこで思い出せばいいか”の手がかり が少なくなりがちです。

穴埋めは「前後の文」「言い回し」「言葉の並び」ごと覚えられるので、
本番で見た文章がそのまま 思い出すトリガー になります。

  • 条文の“型”
  • 長文の“定番表現”
  • 国語の“言い換えパターン”
  • 英語の“熟語・コロケーション”

こういう 文章型の暗記 と相性が良いのが穴埋めの強みです。


3)分散復習に乗せやすい(忘れそうな頃にもう一回)

暗記は「一気に詰め込む」より、間隔を空けて複数回 が効きやすいです。
穴埋め学習は、問題としてストックできるので、復習を 自動化しやすい のもメリット。

  • 今日:初見で作った問題を解く
  • 翌日:もう一回
  • 3日後:忘れかけで再挑戦
  • 1週間後:仕上げ

この流れに乗せるだけで、記憶が残りやすくなります。


穴埋め暗記のメリットまとめ

  • 本番で必要な「出力」を普段から練習できる
  • 文章の流れごと覚えられて、再現性が上がる
  • 復習(分散)に乗せやすく、続けやすい

注意点:穴埋め暗記が失敗するパターン

1)空欄が“難しすぎる/広すぎる”

空欄が大きすぎると、ヒントがなくなり、ただの運ゲーになります。
最初は 短く、狙いを絞った空欄 が正解です。

おすすめ:

  • 「キーワード1〜2語」
  • 「条文の決まり文句」
  • 「熟語のコア部分」

2)穴埋めにする場所がズレている

問題化する場所がズレると、覚えるべきポイントが定着しません。
穴埋めは “試験で問われる骨格” を狙うほど効きます。

コツ:

  • 「その分野の頻出論点」を優先
  • 「間違えた箇所」を優先
  • 「言い回しが固定の部分」を優先

3)“作って満足”になりやすい

穴埋めは作成が楽しい反面、作るだけで終わると効果が出ません。
効かせるためには、解く回数(復習回数) が必要です。


続くやり方:穴埋め暗記の最短ルーティン

ここからは「実際どう回すか」を、最小の手順で書きます。

Step1:素材を用意する(ノート / Web / 教材)

  • 参考書の要点
  • まとめノート
  • Web解説の文章
  • 条文、熟語、例文

まずは “文章” を持ってくるのがスタートです。


Step2:穴埋めを作る(狙うのは1〜2語)

最初から難問を作らず、頻出の型 から作るのが続きます。

例(英検)

  • “be responsible for 〜” → responsible
  • “in contrast to 〜” → contrast

例(社労士・法律)

  • “〇〇を営むための必要を満たすべき…” → 目的条文の決まり文句

Step3:24時間以内にもう一回解く

最初の復習は早いほど効きます。
作った翌日に解く だけで、定着が変わります。


Step4:「間違えたものだけ」再挑戦

全部を回すと時間が足りなくなるので、
ミスった問題だけ を短時間で回すのがコスパ最高です。


「自作+ライブラリ」で最短にする

穴埋め学習を続けると、次の壁が来ます。

  • 自作だけだと、素材集めが面倒
  • でも全部ライブラリ任せだと、自分の弱点に刺さらない

おすすめは “ライブラリで土台 → 自作で仕上げ” のハイブリッドです。

  • まずは問題セットで基礎を作る
  • 間違えたところだけ自作で追い込む

この運用にすると、「作る手間」と「伸び」のバランスが取りやすいです。


よくある質問

Q. 穴埋めと単語帳、どっちがいい?

役割が違います。
単語帳は“単語を広く集める”のが得意、穴埋めは“文章で出せる形にする”のが得意です。
両方を併用すると強いです。

Q. 国語でも使える?

使えます。
言い換え表現、慣用句、接続語、要約の型など、文章の型 を穴埋めにすると相性が良いです。


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まとめ:穴埋め暗記は「出力」を日常化できる

穴埋め学習は、覚えるだけでなく、思い出す練習 を日常の学習に組み込めます。
さらに、文脈ごと覚えられて、復習(分散)にも乗せやすい。

最短の結論はこれです。

  • 土台はライブラリで作る
  • 弱点は自作で仕上げる
  • 復習は“間違えたものだけ”で回す

もし「穴埋め暗記を続ける仕組み」が欲しい人は、まずはアプリで1セット取り込んで、
“穴埋めで思い出す”感覚を試してみてください。

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